風は止んだ


昨日から雨と湿気と風で、なんともやは変な季節。冬らしい乾燥じゃなく梅雨みたいな湿気が。風もなんとなく生ぬるい感じだった。今頃になって風もやみ、少し冷えてきた。こたつに入って、膝では猫が長くなって寝ている。猫もイビキをかくし、寝言みたいなことを言う。あごや目のあたりをいじっていると、止めてよといわんばかりに手で顔をかくしてしまう。その仕草がなんだか可愛くて、またいじってしまう。猫にとってははた迷惑なんだけどね。


明日は仕事だ。明後日も仕事だ。日曜日だし祝日なのに。たまにこういうことになってしまう。今日は寝ていた。というか、朝起きてから、具合が悪かったのだ。横になるとめまいがして、しばらくコタツ入りながら座っていた。横になって寝ていたかったのだけど、横になると目の周りの景色がぐらぐら揺れるような感じになって体まで揺れていく感じで何とも気持ちが悪い。乗り物酔いみたいな感じ。久しぶりにこんな軽い、メヌエルみたいな症状が出てきたなぁ。午後になって、我慢できずに横になった。やっぱり乗り物酔いの感覚が出てきたのだけど、無理やり寝てしまった。気がついたら夕方に・・・。乗り物酔いの感覚はなくなっていたのだけど、また風邪の症状。鼻水が垂れ流しになってしまった。夕食後薬を飲んで、と。明日の仕事に備えないとね。


風がピタリと止んだ。あの風はどこへ行ってしまったのだろう。季節を知らせる、季節をわたしたちに感じさせてくれる風。春には、草木と咲き乱れる花の香りを撒き散らし、夏には焼けていく家屋や土の熱気と砂塵を吹き付け、秋には枯れていく草木を舞い上がらせ、冬には凍えるような冷気を体に巻きつける、そんな風が今夜はいない。音のない夜の世界が出来上がってくる。あるのは、テレビから垂れ流れてくる騒音だけだ。静かな夜もいいが、吹き荒れているような風の音も捨てがたい。風がぶつかる音で、無の世界が有の世界に変わっていくようで。今の世界がちゃんとあるんだと教えてくれる風。今、この夜に外には何があるのだろう。窓を開ける勇気がないわたしには、わからない世界なのかもしれない。


猫が起きてきた。わたしは、少し眠い。今夜こそは早く寝てしまおう。無の世界に引きずり込まれないうちに。