携帯から2


高速電車の走り去る音をきき
分からない会話をきき
知らない音楽をきき
今座っている場所だけが
私の仮のもの
読みかけの本を開き
過去の記憶をなぞりながら
新しい出会いを
めくる項のなかに見出す

周りの流れに逆らう、
わたしだけの一時
喧騒の中の孤独にもたれ
読みかけの本を読む