詩もどき

『それでも祈る』

祈りなど届かない言葉さえも届かないのに見たい未来など見えないあなたさえも見えないのに風に揺れる木の葉冷たさに震えているただ十字架を見上げ時の流れるまま目に焼きつけ彼方へ続く空を眺めるしかない

腕時計の重さに引きずられる

腕時計の重さが 錨に引きずられる魚にかえる 海底に馴染むように出来た体を軋ませて 痛みを背負いながら泳ぐ海 限りない広さが 底なしの風景を呼び寄せる 満月の夜が近づくにつれ 新月も近づく 窓にわたしたちの姿をうつして 深い秋の夜を風とともに漂う 君…